彼岸花

2016.09.29

秋雨前線が停滞して雨続き。

と思ったら、蒸し暑さが戻るというイレギュラーな天候の今日この頃。

お彼岸を挟み今年も律儀に彼岸花が咲いた。

別名は曼珠沙華、洋名はリコリス。

 

それまで何もなかったところにいきなり茎が伸びて花を咲かせるので、

彼岸花には毎年驚かされる。

この花の仲間は花が終わってから葉っぱが出てきて茂る。

とても変わっている花である。

花と葉っぱが相見えることはないため「葉見ず花見ず」とも呼ばれる。

彼岸花の葉っぱをすぐそれと見分けられる人は

それほど多くないだろう。

種はつけずに球根のみで増える。

花の後に出てくる葉っぱがせっせと養分を球根に蓄えるのだ。

 

彼岸花は全身に毒があるが、

球根部分はデンプンが豊富で、水にさらして毒を抜けば食べられる。

いざというときには食べる救荒植物である。

稲作とともに中国大陸から日本に伝来したと言われており、

毒があるのを利用してネズミやモグラなどの小動物を寄せ付けないよう、

田んぼの畦に植えられていた。

玉川上水沿いでよく見るのも、同様の理由なのかもしれない。

 

墓地にも植えられていたため不吉なイメージがあり、

私が子供の頃は家の庭に植えられることはまずなかったが、

最近は園芸種の白いリコリスと一緒に植えられていたりして、

紅白でむしろおめでたい感じとなる。

華やかできれいな花だから、群生するところは秋の観光名所になった。

 

ところで、彼岸花が計ったかのように秋の彼岸の頃に咲くのはなぜか。

実はよくわかっていない。

稲作伝来以来の長い付き合いの彼岸花でさえ、

今も未知の生物である。



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