SOHO社長の体験記

知り合いの家具会社の社長の紹介で フリーとしての基礎を固める 

ミラノサローネに出展した家具
 

- 独立されたあと、顧客はどのようにして獲得したのですか?


松本
  知り合いの家具会社の社長は厳しい人でしたが、ぼくが「独立します」と報告に行ったときに、「独立すると言ったってそうそう仕事はないだろう。仕事がなかったらうちに来なさい」と言ってくれたので、ちょっと安心感はありました。
   帰国してその社長のところへ行ったら、ぼくをフリーのデザイナーとしていろいろなところに紹介してくれました。紹介先に行くと必ず仕事につながり、しかも横浜・元町の50坪のインドレストランとか、SONYの社員食堂など大きな仕事を手がけることができました。若気の至りで「独立ってけっこう簡単なんだ」と誤解してしまいました。甘かったですね(笑)

- ちょうどバブルの時期ですね。


松本
  ええ、バブルが崩壊して業界全体で仕事が減り始め、特に大型のプロジェクトはなくなっていきます。その頃には結婚して世田谷代田に住んでおり、事務所も別に借りていました。

- どのように乗り切ったのですか?


松本
  店舗デザインとは違う仕事もずいぶんしてきました。そのころ内装材の会社に勤める友人から「床材のプレゼンをやらないか」と声がかかりました。A1のボードにタイルの色を塗る作業なのですが、「パソコンでやれば一日何件もこなせる」と部長に紹介してもらい、けっこうな収入になりました。そのお金で友人たちとイタリアのミラノサローネに家具を出展し、また次につなげることができたのです。





プロフィール

松本英明さん 
[ 有限会社East&West代表取締役 ]

東京造形大学・家具コースを卒業後、イノウエインダストリィズに入社。イデー、伊東豊雄、長谷川逸子らの家具の製作を担当する。1990年にアジア、ヨーロッパを遊学。1992年EAST&WESTを設立し、フリーランスの店舗・家具デザイナーとして独立。1998年~2001年イタリアミラノサローネに家具出品。2001年EAST&WESTを法人化し現在に至る。

(取材:萩谷)