SOHO社長の体験記

顧客が完成後を詳細にイメージできると クレームや手戻りのリスクを減らせる 

深圳の和食レストランの内装。日本らしい華やかさを演出。
 

- 最近はどのようなお仕事を手がけられていますか?


松本
  今年の6月には中国・深圳の和食レストランの内装デザインをしました。カリン材の襖や桜をモチーフにした壁画など、日本の寺社っぽい派手やかさが出るように工夫しています。たくさんの風鈴が下げてあり、空調を回すと風鈴が鳴って日本情緒を盛り上げます。
  この仕事も、5、6年前に知り合った人に、最近「自転車の照明器具のデザインをやってみないか」と声をかけられ、深圳の自転車用照明器具会社の社長を紹介されたのが縁で、話がつながっていったのです。

- 単なる図面ではなく、コンピュータグラフィックでずいぶん細かいところまで作り込むのですね。


松本
  CGできちんと作り込んでお客様に見せると、どこにどういう素材が用いられる予定なのかもわかるし、全体の中で、部分部分のサイズ感がどうなるのかもわかります。そうすると、施工に入ってからのクレームが半減するのです。
  この仕事の怖いところは、いくらこちらが説明しても、お客様が「これじゃ嫌だ」と思ったら終わりだということです。ぼくも独立して2年目に、「この10メートルの巨大カウンターをあと3cm高くしてほしい」とのクレームを受けたことがあります。その段階からの修正は無理だったのですが、お客様に「俺はこのカウンターを毎日見なきゃいけないんだ。その度に嫌な気持になるだろう!」と言われ、結局カウンターを作り直しました。





プロフィール

松本英明さん 
[ 有限会社East&West代表取締役 ]

東京造形大学・家具コースを卒業後、イノウエインダストリィズに入社。イデー、伊東豊雄、長谷川逸子らの家具の製作を担当する。1990年にアジア、ヨーロッパを遊学。1992年EAST&WESTを設立し、フリーランスの店舗・家具デザイナーとして独立。1998年~2001年イタリアミラノサローネに家具出品。2001年EAST&WESTを法人化し現在に至る。

(取材:萩谷)