SOHO社長の体験記

妻のアドバイスを受けながら 自分の手で内装を整えた 

通りに面した側の入り口。右側がギャラリースペース。
 

- 素敵なお店ですが、内装もご自分でされたのですか?


鈴木   予算が限られていましたからね。ぼくの奥さん、当時はまだ結婚していませんでしたがインテリアの専門学校の講師をしていて、店の図面を描いてくれ、内装の質感や色についても相談に乗ってくれました。「壁と床の素材だけはケチってはいけない」と言われて、壁は珪藻土、床は無垢の板張りです。実は独立のとき、「お店を手伝いたいと思っている」と言ってくれて「お店が落ち着いたら結婚しよう」とプロポーズしたら、「そんなのずっと落ち着くわけないでしょ。結婚するの、しないの?」と(笑)。確かにその通りですね。夫婦でカフェを経営するのは、人生最後の10年くらいでいいと思っているので、それまでは会社のサポートと子育てをしてもらっていると思います。

- お店の名前はどうやって決めたのでしょう。


鈴木   ぼくのあこがれだったイタリアの家族みたいに、仲が良い家族のイメージにしたかったんです。デイリーズの社長にも、家族のようにしていただきましたしね。
   ほんとは「High famiglia 」なのですが、店主の思いを前面に出すのが好きじゃないので、字を変えて造語にして、意味をなくしてしまいました。なるだけぼくの存在を消したお店にしたいんです。日本のお店にはそういうのが多いですが、店主の主張が強すぎるとパブリックな空間ではなくなってしまいますから。





プロフィール

鈴木佳範さん 
[ カフェ ハイファミリア / パブリック・スペース株式会社代表取締役 ]

盛岡市出身。小中学校と生徒会長をつとめ、将来の夢は弁護士だったが、高校の友人たちの影響で伊仏文化に関心を持つ。伊・ペルージャ大学に進学を志すが、高校の先生や家族の強い反対にあい、上京してイタリア文化会館で学びながら、明治大学商学部の夜間に通う。カフェの研究で卒論を書き、大学卒業後は三鷹の「デイリーズ」に押し掛け就職。28歳で独立し、会社を設立して現在に至る。

(取材:萩谷)