SOHO社長の体験記

パブリックなカフェの文化を 少しずつ浸透させていきたい 

ギャラリースペース脇には、盛岡の鉄瓶やタウン誌も販売されている。
 

- あくまでもパブリックな空間を目指しているんですね。


鈴木   目的もなくフラッと来れて、暗黙のうちに他人の存在を認めているのがカフェだと思うんです。フランスやイタリアのカフェはそういう場所です。誰もがくつろげるし、街にひらかれている。日本のお店は細分化する傾向にありますが、変に主張の強い専門店になってしまうと、その専門性が好きな人以外は快適ではなくなってしまいます。
   向き合った席しかないカフェが多いのも、日本だと思うんですよね。最初店にこんなにグリーンはなかったのですが、お客さんは日本人だし、何となく視線を区切るものがあったほうがいいかなと。昔は自分の目的に対して100点でないといけないと思っていましたが、今は50点でもいいから、居心地のいい空間にしたい。その中で「こういうのって意外といいな」と見直せるパブリックなシーンを作りたいと思っています。カフェからの“世直し”です。

- だから、ギャラリーを併設したり、イベントをしたりもしているんですね。
これからやってみたいことは?



鈴木   この秋にもう一店舗出店することになっていますので、できればもう一回、大学の、今度は経営学部で学んでみたいですね。お金のマネジメントは大事です。周囲を見ていても、お金に対する知識が足りなくてうまくいかなくなるケースが多い。そんなのもったいないですよ。勉強すればいいんですから。





プロフィール

鈴木佳範さん 
[ カフェ ハイファミリア / パブリック・スペース株式会社代表取締役 ]

盛岡市出身。小中学校と生徒会長をつとめ、将来の夢は弁護士だったが、高校の友人たちの影響で伊仏文化に関心を持つ。伊・ペルージャ大学に進学を志すが、高校の先生や家族の強い反対にあい、上京してイタリア文化会館で学びながら、明治大学商学部の夜間に通う。カフェの研究で卒論を書き、大学卒業後は三鷹の「デイリーズ」に押し掛け就職。28歳で独立し、会社を設立して現在に至る。

(取材:萩谷)