SOHO社長の体験記

ヘルパーとしての経験から生まれた、 新しいサービスと組織の構想 

現在(2014年)の、NPOグレースケア機構メンバーのみなさん
 

- まずNPO法人グレースケア機構をつくられた理由を教えてください。


柳本   まず、介護保険が見直しのたびに使いにくくなって、利用者の方の不満を身近に感じていました。そこで困りごとから愉しみごとまで幅広く暮らしを支えるために、自費でのサービスをしようと思いました。それから、介護の担い手が不足しており、NPOとして人材不足の問題に取り組もうと考えました。制度内では報酬が抑えられモチベーションも上がりにくいですが、指名制などを使えば、より質の高いサービスにつながるかと。
  私はもともと障害者の在宅ヘルパーをやっていました。その後、老人保健施設での勤務を経験し、グレースケアを立ち上げる前は認知症のグループホームにいました。施設は30人ほどの集団処遇ですし、グループホームは9人の共同生活です。施設もホームも、それぞれにいいところはあるのですが、やはり私は在宅できちんと個別の暮らしを支えたかった。独居の方も増えているのに、このままでは家での生活を支える人材も仕組みももたないと思ったのです。

- 起業までの経緯を教えてください。


柳本   2007年に身の丈起業塾*1を受講しました。芳賀さん*もその時の同期です。11月にビジネスプランコンテスト*2で仲間8人と自費のサービスを発表して「コミュニティビジネス賞」をいただきました。2008年4月にNPO法人化して、SOHOパイロットオフィスに入居し、机と椅子が一つだけのブースを借りて始めました。

*1 国の地域社会雇用創造事業交付金によって実施されたプロジェクト。プロジェクトはすでに終了しているが、三鷹ネットワーク大学の「三鷹身の丈起業塾」にそのマインドは受け継がれている。
*2「みたかソーシャル&コミュニティビジネスプラン・コンペティション」。一時中断していたが、再開されて今に至る。
 
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プロフィール

柳本文貴さん 
[ NPO法人グレースケア機構代表 ]

新潟市生まれ。大阪大学在学中から、障害者の介助ボランティアや当事者運動に関わる。卒業後は人材派遣会社でヘルパー養成や派遣に従事。老人保健施設や認知症グループホームを経て、2008年にNPO法人グレースケア機構を立ち上げる。介護保険の枠内におさまらないきめこまかな自費サービスを提供。ヘルパーの指名も可能。自らも社会福祉士、介護福祉士、ケアマネジャーの資格を持つ。

(取材:萩谷)