SOHO社長の体験記

社会人としての常識を土台に 順調なときほど自分を律していく 

愛用の左手デバイス。残念ながら現在は生産中止になっているという。
 

- 最後に、これから起業する人にアドバイスをお願いします。


榎本    信用を得て仕事をしていくには、社会常識やマナーが必要です。特に、クライアントの悪口をネットやSNSなど公共の場に書き込むのは絶対にNGです。「自分がクライアントだったらこういうことを言う人に発注するかどうか」と想像することが大切で、この点については自分が社会人経験を積んでおいて本当に良かったと思います。    また、事業が好調な時にも慢心しないことです。慢心するといろいろなことを見誤ってしまうし、成長できなくなります。特に他の業種に比べてクリエイターは「上手ですね」「さすがですね」等いろいろな褒め言葉をかけてもらいやすいのですが、それらを真に受けて天狗になってしまわないようにしたいですね。事業が上手くいって業績が伸び始めると、人は簡単に慢心してしまいます。慢心しないよう己を律し続けるというのは、あるいは事業を一時成功させるというよりも困難かもしれません。自分の慢心を人に指摘してもらえることなど稀です。だからこそ初心を忘れず己と向き合うことが大切なんですね。
   もう一つ、フリーランスは体が資本ですから、過労で倒れたり鬱になったりしないよう心身の自己管理をきちんとしたいですね。1日に必ず一度は外に出て日光を浴びる、SNSを見過ぎない、忙しすぎる時は仕事を断る勇気を持つ(ただしフォローはきちんと)、良質の睡眠や休息を確保する、今まで楽しくやれていたことが急に楽しめなくなったら鬱の兆候なので気をつけるなど、外せないポイントがいくつかあります。
   起こりうるリスクについてきちんと知れば、それを防ぐために事前にできることがたくさんあります。そういうことを考える時間を作るのも、大切な仕事の一部であるとぼくは思います。

<了>
 




プロフィール

榎本よしたかさん 
[ イラストレーター・法廷画家 ]

和歌山県生まれ。子供の頃からずっと絵を描き続けてきたが、いったん社会人としての経験を積むために家具デザイナーとして就職。2002年にイラストレーターとして独立開業した。法廷画を依頼されたことがきっかけで、TV用イラストも多く手掛け、出版・広告等でも幅広く活躍。自伝的エッセイ漫画「トコノクボ くじけない心の描き方」(マイナビ文庫)も出版した。。
http://yoshitakaworks.com/

(取材:萩谷)