SOHO社長の体験記

事業の基本を知らない人が、実はたくさんいる 

産業プラザの地下一階の「コミュニティビジネスサロン」には、レンタルデスク、参考書籍のコーナーもある。
 

- レンタルオフィスの立ち上げはどのように始まったのですか?


前田
私が最初に関わったのは、まちづくり公社(現・まちづくり三鷹)のはじめての入居者募集に応募してきた57社の審査でした。まず、シンクタンクの人が25社を選び、われわれ審査員がさらに絞り込んで、最終的に入居したのは9社でした。

- 審査で重要視したのは、どんなことですか?


前田 応募の条件にした3年間の数字をきちんと入れた事業計画書について、事業内容と収支予測をしっかりチェックしました。例えば、50代のサラリーマンの人で、ネット通販事業で初年度売上3千万円、次年度6千万円、3年目に9千万円という計画書を出した人がいたのですが、「ところで、ネットで何を通販をするの?」と尋ねると、「まだ品物は決めてません」と。「じゃあ、まだ会社を辞めるのはやめなさい」とアドバイスしました(笑)。

- そもそも事業とは何かを分かっていない方もいたのですね。


前田 そうなんです。「会社をつくろう」と思う人はみんな会社の基本を知っているかというと、そうじゃない。会計帳簿の書き方、人を雇うこと、会社や特許の申請方法・・・意外と知らないんですね。

- お金のやりくりが苦手な人もいそうですね。


前田 事業計画書で数字は整えてあっても、現実と乖離している人も少なくないです。「仲のいい人といっしょに始めたい」という人も多いですが、最初から人の給料まで出せませんよね。

- では、どんなアドバイスをしてらっしゃるのですか?


前田 まずは身の丈で、ムリのない範囲で始めるように助言しています。資本金もできるだけ少なく、もし借りる必要があるなら自分の親を頼ること。奥さんの親でもダメ。それが原則です。





プロフィール

前田隆正さん 
[ SOHO CITYみたか推進協議会会長・コミュニティビジネスサロン スーパーバイザー ]


前田隆正さん SOHO CITYみたか推進協議会会長・コミュニティビジネスサロン スーパーバイザー/日本電信電話公社(NTT)、日本無線、INSエンジニアリングなどを経て、1998年から「SOHO CITYみたか」の運営に携わる。
2003年から「SOHOベンチャーカレッジ」、2010年から「みたか身の丈起業塾」(内閣府助成事業)で塾長を兼任。

(取材:安田)