SOHO社長の体験記

横河OBの縁でSOHOパイロットオフィスに応募 

中規模太陽光発電システムの説明をする杉山さん。
 

- その井深さんから三鷹SOHOパイロットオフィスの募集をお知りになったのですか。


杉山 そういうことです。横河からは私と、風力発電システムの高藤さん(故人)の二人が別々に応募して入居しました。私はローマクラブの「成長の限界」*2をきっかけに環境問題に関心を深めて、それに関する本を書いたりしていたのです。そこで、太陽電池システムなど新エネルギー開発に新規事業として取り組む人向けのコンサルを行うことにしました。


- 横河時代に太陽電池を手がけられていたのではないのですね。


杉山 事業としてはやっていませんでしたが、横河の第4工場屋上に太陽光発電設備を作りました。工場の屋根がのこぎり型をしているのは北側のガラス窓から採光するためです。光量は少なくても安定した光が採れる。それを本館の8階の窓から見て、あの南斜面に太陽光パネルを置いたらいいのではと思いついたのです。
当時の横河電機社長が賛成してくれて、横河ブリッジと組んで開発しました。今回の地震のような災害で停電した場合、横河の地下にはよい水脈があるのでくみ上げポンプを動かし、その水を一般市民に供給しようという計画です。幸いそういう災害には遭遇していませんが、何かあったら役に立ちます。
私が推奨するのは、家庭用太陽光発電よりも、工場やデパートくらいの中規模の建物で屋根の空きスペースに太陽光発電システムを作ることですが、いわばその標準を作ったわけですね。


*1「技術者と企業経営」オーム社
*2 「成長の限界」とは、世界各国の知識人で構成されるローマクラブが1972年に出した報告書。現在のままの人口増加や環境破壊が進めば、資源の枯渇や環境悪化によって人類の成長は100年以内に限界をむかえるとし、世界に大きな衝撃を与えた。





プロフィール

杉山 卓さん 
[ 杉山卓事務所代表 横河電機株式会社社友 ]


武蔵野市在住。横河電機で主に精密電機計測機器の開発に従事。専務取締役だった1982年に、横河メディカルシステム(株)の社長に転出。退任後、横河電機社友となったのを機に杉山卓事務所を立ち上げた。特に環境関連、太陽電池システムをメインとした技術コンサルティング、起業を目指す人のための技術評価や各種相談、科学技術関連の著作など多方面で活躍中。熱烈なタイガーズファンでもある。

(取材:萩谷)