SOHO社長の体験記

一人ではできない、だから任せられる仲間を探す 

三鷹市役所にて実証実験中だった樹木型太陽電池街路灯。こちらは現在実証実験を終えている。
 

- 会社を“卒業”してSOHOになると、今まで当たり前だった社内サポートが受けられないということですね。そこを自分で考えていかないと失敗してしまう。


杉山 その通りです。私は今「身の丈起業塾」*1で、「自分ひとりではできないことがあります。その部分をサポートしてくれるよい人を見つけなさい。協力者が必要です」と強調しています。海外の会社には●●ブラザーズという社名がよくありますよね。兄弟のどちらかが発明者で、もう一人がセールスに長け、お互いに補い合うようにして会社を成長させている。


- 技術者は、アイディアがあると「これでいけるぞ!」と考えがちなのですね。


杉山 思い込みでどんどん行くけれど、そう簡単なものじゃない。マーケティングの意見を聞くべきです。もう一つ技術者のよくないところは、NIH(Not invented here.)という心の狭さです。他で開発された技術を受け入れるとプライドが傷つくんですね。それが技術移転の難しさにつながります。私もよく「お前、それはNIHだろう!」と怒られたものです。 その点ではSOHOのほうが自由に協力し合えるのではないでしょうか。私も樹木型のデザインについて当時パイロットオフィスにいらした永田さん*2にアドバイスをもらったりしました。同業種でも補完型でも気の合ったSOHO同士が組むようになれば、SOHOはもっと機能すると思います。


*1 株式会社まちづくり三鷹による起業支援事業。起業に必要な基礎知識を身につけ、ビジネスプランを磨くことができる。
*2 業務用レンズの設計・製造・販売、光学技術コンサルタントを行う株式会社「レンズ屋」社長の永田信一さん。

<了>
 




プロフィール

杉山 卓さん 
[ 杉山卓事務所代表 横河電機株式会社社友 ]


武蔵野市在住。横河電機で主に精密電機計測機器の開発に従事。専務取締役だった1982年に、横河メディカルシステム(株)の社長に転出。退任後、横河電機社友となったのを機に杉山卓事務所を立ち上げた。特に環境関連、太陽電池システムをメインとした技術コンサルティング、起業を目指す人のための技術評価や各種相談、科学技術関連の著作など多方面で活躍中。熱烈なタイガーズファンでもある。

(取材:萩谷)