前田 もう一つは、商売の成功は必ずしも個人の能力だけによるのではないということです。世の中には中小企業の社長がたくさんいらっしゃいますが、親やさらにその前の代から蓄積された資本や信用の力というのは大きいです。起業される方は、そういうものを持たない方が大半でしょう。自分の能力以外に、他人の力、会社の信用、土地など何かをプラスしてから始めた方が、力が何倍にもなります。協力してくれる人たちや金利の低い資金を得て、自分のやりたいことを効率よくできる環境を整えることが大事です。
私は自己資金20万円で始めたのですごく遠回りをしましたし、時間を無駄にしたと思います。
- 前田さんは時間ということを強く意識されているんですね。
前田 起業後 1年間かけてやったことが、今なら3ヶ月でできてしまいます。ですから、最初からそのような環境を整えればよかったと後悔しています。
時間を無駄にしないということで言えば、税理士は絶対に雇うことをお勧めします。税務関係は非常に手間がかかるので、自分でやるのは非現実的です。月3万円くらいなので、プロに任せてしまいましょう。あとは持ち家の人に名義を借りて会社の登記をすることでしょうか。人の力はどんどん借りた方がよいです。
- たいへん実践的なアドバイスです。本日はありがとうございました。