- 何が転機になったのでしょう。
前田 その頃京大の瀧本哲史さんが書かれた「君に友だちはいらない」という本を読んで、自分の居場所は自分で作ることにしたのです。そこで手持ちのお金をもとに事業を始めました。
大学で役に立ったと思うのは、東欧史の授業で読んだアドルフ・ヒトラーの著書に「大衆の受容能力は非常に限られている。だから民主主義は破綻する」という意味の記述があったことです。東欧史にはユダヤ人やポーランドとの絡みでヒトラーが出てくるんですね。
自分が家電量販店でプリンターを売っている時にも、スペックを全部理解しているお客様はまずいなくて、限られた情報だけを受容して判断するわけです。この記述が自分の経験とリンクし、「なるほど、こういうことか。それなら刺さるセールスポントを1〜2つアピールすれば売れるのでは」と思ったのです。
- 前田さんが創業された鳥商日本株式会社では、仮想通貨を含む日中間の電子マネー両替サービスをされています。
前田 自分が中国や台湾で仕入れをする上で決済にコストをかけたくなかったので、現金に替えられる仮想通貨に着目しました。今はだいぶレートが上がってしまいましたが、当時はビットコインを利用すれば、どの商品でも他社より3%は安く仕入れられました。これは大きなアドバンテージです。
そこで仮想通貨も電子マネーに使えるのではないかと考えたのです。